導入事例:大日本印刷株式会社 | Datadog
CASE STUDY

Datadogのマルチクラウドモニタリングが
これまでの“あたりまえ”を変える

大日本印刷株式会社

大日本印刷株式会社(DNP)は国内外の約数万社の顧客企業や生活者に幅広い事業分野で多様な製品やサービスを提供する世界最大規模の総合印刷会社である。近年はICカードの製造・発行と付随するシステムやサービスを提供するなど事業を拡大し、国内のICカードシェアNo.1を誇る。デジタルセキュリティに枠を拡げた総合的なソリューションを提供し、スマートライフの発展に貢献している。


主な成果

クラウドが変わっても変わらないモニタリング

各クラウドの “いいとこ取り” の実現に必須となる “クラウドが変わっても変わらないモニタリング” をDatadogで実現。ツールの統合が学習コストの削減、クラウドを跨いだデータの効果的な連携に大きく寄与している。

障害時の対応を簡素化

これまでは手動で行っていた分断したデータの収集、つなぎ合わせをDatadogが自動で行うことが障害対応の手間と時間の大幅な削減につながり、解決までの時間の劇的な短縮を実現している。

課題

マルチクラウド化でクラウドベンダー標準機能が乱立:各クラウドの特性を活かすマルチクラウド環境では、クラウドごとに標準ツール自体の学習コスト、クラウドを跨いでデータをつなぐことが課題となった。障害発生時に各種データを繋ぐ手間と時間が解決までの時間に大きく影響していることも課題となっていた。


なぜDatadogなのか?

マルチクラウド環境においても、ログ、メトリクス、トレースなどの情報が単一プラットフォームに収集され、かつ内部で自動的に関連付けが行われる。障害発生時に自分でデータを繋ぐ手間と時間がゼロになり解決時間の劇的な削減が実現される。


強みである印刷技術にデジタルの付加価値を加えたプラットフォームサービスを提供

世界最大規模の総合印刷会社、DNPは卓越した印刷技術をベースに、国内のICカードシェアNo.1を誇る。近年では従来の強みである印刷技術に関連するIT機能を付加価値サービスとして加え、トータル的なプラットフォームサービスを提供し “未来のあたりまえをつくる。” ことを目指し、デジタル変革、スマートライフの発展に貢献している。昨今では、ICカード技術と連動する決済システムのような24時間365日の安定稼働、高度なセキュリティが求められるサービスでも利用されている。俊敏性と柔軟性が求められるその実装フレームワークには2017年から積極的にクラウドの活用も取り入れ、最新のフレームワークで開発されたプロジェクトは30を超える。

各種クラウドの “いいとこ取り” が戦略の大方針

CCoE (Cloud Center of Excellence) を担当する伊藤丈裕氏は、「各クラウドは提供するサービスに特⻑があり、それらを上手に活用することが、DNPのプラットフォームサービスの成⻑につながると考えています。つまりDNPのクラウド戦略は “いいとこ取り” であり、結果としてマルチクラウドを前提としたモニタリングが必要でした。その点で高い定評があるDatadogを実装フレームワークの標準モニタリングソリューションとして選定しました。」と語る。実装フレームワークの開発を担当する DNP 丸山達生氏は、「当初はAWS CloudWatch、Azure Monitorのような各クラウドベンダー標準の監視サービスを使用してきましたが、ツールごとに異なる使用感、複数ツールの学習コスト、各種データをつなぐための手間がマルチクラウド化が進む中での課題でした。」と伊藤氏の言葉につなげた。

「マルチクラウドを大方針として打ち出す上で、クラウドを跨いで分散したデータを繋ぐことは大きな課題になります。これができるのがDatadog。 “クラウドが変わっても変わらないモニタリング” はマルチクラウド時代の必須要件です。」

大日本印刷株式会社情報イノベーション事業部ICTセンター
システムプラットフォーム開発本部DX基盤開発部CCoEグループ
グループリーダー
伊藤丈裕氏

Datadogの利用で変わったこれまでの “あたりまえ”

マルチクラウド対応のモニタリングソリューションとしての定評、そのシェアの高さからDatadogを選定したDNP。

2021年から利用している丸山氏はその効果について「これまでは障害が発生したら、関連するログやサーバーの状態をそれぞれのツールから抽出して、障害の発生時間を軸にそれらをつなぎ合わせる作業を “あたりまえのこと” としてやってきました。これを自動でやってくれることを知ったとき、障害対応に対する概念が大きく変わりました。特にアプリケーションレスポンスに問題が発生した場合は情報収集のための再デプロイにお客様との調整も必要で、それだけで1週間かかることもありました。これがゼロになることは驚きでしかありません。クラウド標準ツールでも同じような情報は取れますが、それらを自分で工夫しながらつなげるか、自動的に関連づけされるかには大きな違いであると改めて感じています。MTTD、MTTRの削減効果を社内にアピールしていきたいです。」と力強く語る。

加えて、伊藤氏は「これまでモニタリングとはシステムを監視することだと考えていましたが、Datadogを知ったことで、モニタリングはシステムだけでなく、サービスを利用するユーザー側の視点や自社の事業部門や経営層の意思決定に関わるデータの収集、分析も含めたものであることに気づきました。これも自分の中の “あたりまえ” が大きく変わった経験です。」と続けた。

「本格的な活用はまだまだこれから。使いたい機能もまだまだある。」と言葉を揃える両名。Datadogの活用拡大がこれからも多くの “あたりまえ” を変えていく。

「利用部門の混乱を避けるため、クラウドベンダーの標準ツールで実施していたデータ収集、モニターをそのまま移行するところからスタートしました。その後、APMも活用し、圧倒的に手数の少ない障害対応を一度体感してしまうと、もう元のツールには戻れないですね。現在ではRUM機能も提供できるようになっていますので、ユーザー視点からのモニタリングに活用してもらいたいです。いまはWatchdogでの予兆検知も検証を進めており、インフラ運用をリアクティブからプロアクティブな視点に変えていくことにチャレンジしていきたいです。」

大日本印刷株式会社情報イノベーション事業部ICTセンター
システムプラットフォーム開発本部
アドバンスド技術開発部アーキテクチャー開発グループ
丸山達生氏

「システム部門から利用が始まったDatadogの効果は高く評価されています。今後は事業部門や経営層も視野に入れ、ビジネスに寄与する意思決定に有益なデータを提供することで、DNPのデジタル変革の加速に貢献していきたいと考えています。」

大日本印刷株式会社情報イノベーション事業部ICTセンター
システムプラットフォーム開発本部DX基盤開発部CCoEグループ
グループリーダー
伊藤丈裕氏

リソース