「ビズリーチ」のプラットフォームを統合監視しプロダクトや内部APIの増加に対応 | Datadog
Case study

「ビズリーチ」のプラットフォームを統合監視しプロダクトや内部APIの増加に対応

人材サービス

2,149名(2023年7月末時点 *)

東京都渋谷区

About BizReach

「キャリアに、選択肢と可能性を」をミッションに、即戦力人材と企業をつなぐ転職サイト「ビズリーチ」、人財活用プラットフォーム「HRMOS」シリーズ、OB/OG訪問ネットワークサービス「ビズリーチ・キャンパス」、などを展開する株式会社ビズリーチ。主力の「ビズリーチ」は、スカウト可能会員数236万人以上、導入企業数累計28,900社以上、登録ヘッドハンター数7,300人以上(いずれも2024年1月末時点)と国内のハイクラス転職市場を牽引する。

(*)Visionalグループ合計(雇用形態:正社員、契約社員、アルバイト・パート、派遣社員、出向受入含む)

Datadogは今や、パフォーマンス改善や課題の早期発見に欠かせないツールになっています。エンドポイント単位でパフォーマンスの状況を把握してビジネス面での影響度を考慮しながら改善の優先順位を検討しています。

case-studies/shintaro-kikuchi
菊池 信太郎 氏
株式会社ビズリーチ
リクルーティングプロダクト本部
プラットフォーム開発部
部長
case-studies/shintaro-kikuchi

Datadogは今や、パフォーマンス改善や課題の早期発見に欠かせないツールになっています。エンドポイント単位でパフォーマンスの状況を把握してビジネス面での影響度を考慮しながら改善の優先順位を検討しています。

菊池 信太郎 氏
株式会社ビズリーチ
リクルーティングプロダクト本部
プラットフォーム開発部
部長
なぜDatadogなのか?
  • サービスラインナップの拡充のスピード
  • 優れた使い勝手
  • 充実した公式ドキュメント
Challenge

  • 急激な事業成長への対応
  • モニタリング環境の確立
  • スロークエリの改善
  • エラーログの低減

主な成果
統合監視体制の確立

プロダクトの増加や内部APIの増加への対応

リアーキテクティングにおける設計段階での活用

既存アーキテクチャのアプリケーション性能の確認、ボトルネックの特定

バックエンドとフロントエンドの統合監視

ユーザー挙動の正確な把握、レスポンス遅延時の早期障害特定

約20チーム、約150名

2018年から6年間でチームは5倍の約20チームに増加、開発者は2倍増

Datadogによるモニタリング強化で現状把握と改善が加速

株式会社ビズリーチが2009年にサービスを開始した即戦力人材と企業をつなぐ転職サイト「ビズリーチ」では、会員が登録した職務経歴書を、ヘッドハンターだけでなく採用企業も直接閲覧し、スカウトを送ることができる転職プラットフォームを提供している。

インパクトのあるCMの効果もあり、右肩上がりに売上高を伸ばしてきたビズリーチ事業だが、課題もあった。2018年頃には技術的負債が積み重なり、生産性の低下を招いていた。リクルーティングプロダクト本部 プラットフォーム開発部 部長の菊池信太郎氏は「データ量が急増したことでスロークエリが発生し、パフォーマンスの低下が見られていました。監視環境は自前で構築していたものの、簡易なログ監視に留まっていました」と振り返る。

そこで同社はフルマネージドの監視ツールの導入を検討し、Datadogを採用した。

「Datadogは、サービスラインナップの拡充スピードが速く、利便性がさらに向上していく期待がありました。また、公式ドキュメントが充実しており、サポートに問い合わせることなく自分たちで解決できる点においてもメリットを感じました」(菊池氏)

Datadogによるモニタリング強化で現状把握と改善の効果が可視化され、スロークエリの改善やエラーログの低減が進んだ。2018年以降はプラットフォームのマイクロサービス化を進め、内部APIを積極的に増やして疎結合化を進めてきた。その点においても統合監視のDatadogが貢献している。

「ビズリーチのプラットフォームは、採用企業様向け、ヘッドハンター様向け、会員様向けなどプロダクトが複数に分かれています。また、それぞれ対応する社内向けプロダクトを用意しています。個々のプロダクトやプロダクト間のAPIをモニタリングするうえでもDatadogによる統合監視は効果的でした」(菊池氏)

2024年5月現在、ビズリーチのプロダクトチーム、プラットフォームチーム、SREチームの開発者やプロダクトオーナーなど約150名がDatadogを利用。ダッシュボードでエラーログ、アプリケーションのパフォーマンス、レイテンシー等の確認や、アラートをSlackに転送して障害対応に活用している。

「Datadogは今や、パフォーマンス改善や課題の早期発見に欠かせないツールになっています。エンドポイント単位でパフォーマンスの状況を把握してビジネス面での影響度を考慮しながら、プロダクトオーナーと改善の優先順位を検討しています」(菊池氏)

写真左側:菊池 信太郎、真ん中:内田 大暉、右側:澁谷 悠大
写真左側:菊池 信太郎、真ん中:内田 大暉、右側:澁谷 悠大

プラットフォームのリアーキテクティングにおける設計段階でDatadogを活用

同社独自のユニークな使い方が、プラットフォームのリアーキテクティングにおける設計段階での活用だ。同社では2020年頃より機能追加、デプロイ、監視等の運用課題の改善に向けて、ビズリーチのプラットフォームをモダナイズするリアーキテクティングに取り組んでいる。複数のプロダクトの中から段階的に新アーキテクチャに切り替えていくプロジェクトにおいて、新旧アプリケーションの性能比較などでDatadogを利用している。リクルーティングプロダクト本部 ビズリーチプロダクト部 新CRS開発グループの内田大暉氏は次のように語る。

「既存のアーキテクチャでアプリケーションの性能を確認し、処理のボトルネックを特定したうえで改善点を検討しています。例えば、Datadog APMでアプリケーションの情報を参照してクエリのボトルネック、N+1問題などのアンチパターンの発見、処理遅延などの情報を確認し、開発チームのメンバーとリクエストの分割や非同期対応といった対策を議論しながら新しいアーキテクチャを設計しています」

新アーキテクチャをリリースした際にはダッシュボードを作成し、処理の遅延箇所を特定して改善を進めている。リクルーティングプロダクト本部 ビズリーチプロダクト部 新CRS開発グループの澁谷悠大氏は「レスポンスの時間が何ミリ秒以上ならアラートを発報するといったルールを設定し、ダッシュボード上で発報頻度を確認しながらモニター改善の判断材料にしています」と説明する。

リアーキテクティングでは、旧から新への100%切り替えでなく、両者を並行稼働させユーザの流入率などをみながら10%、50%といった段階的に切り替えるカナリアリリースのアプローチを取っている。切り替えの判断に欠かせないのが、性能やエラー率をまとめたダッシュボードだ。

「旧から新へ一度に切り替えてしまうとパフォーマンスや機能面で問題が発生した時の影響範囲が大きいため、プロダクトオーナーとダッシュボードを見ながら切り替えのステップを判断するのにもDatadogを活用しています」(内田氏)

フロントエンドのオブザーバビリティを重視する新アーキテクチャにおいて、フロントエンドをリアルタイムで監視するDatadog RUMも有効だという。

「バックエンドとフロントエンドを統合的に監視することで、エラー発生時のユーザーの挙動を正確に把握したり、レスポンス遅延時の障害を特定したりすることができます。Webブラウジングをキャプチャして視覚的に再生するDatadog RUMのセッションリプレイの機能は、状況の理解やプロダクトオーナーへの説明にも役立っています」(内田氏)

Datadogに関しては、高速レスポンスや表示スピードの速さ、初心者でも扱いやすい操作性などを評価。2023年に新卒入社した澁谷氏は「新卒入社で初めてDatadogに触れましたが、すぐに慣れて使えるようになりました。欲しいクエリ情報の取得をアシストしてくれるサジェスト機能も便利です」と語る。

このように、モニタリングからリアーキテクティングまでさまざまな用途で活用されているDatadogは、ビズリーチ事業の拡大に欠かせないツールとなっており、今後も継続的な改善と活用の拡大を進める考えだ。

「2018年から6年間で開発チームは5倍の約20に増え、開発メンバーも倍増していますが、その成長に耐えているのもDatadogのおかげです。今後も運用監視をベースとしたSREの民主化を進め、各チームがインフラからアプリケーションまで一気通貫でカバーできる環境を整備していきます。また、サービス増、チーム増に備えてDatadogを起点とした運用の自動化にも取り組んでいきます」(菊池氏)

プラットフォームのリアーキテクティングにおいて、アプリケーションのパフォーマンスを検証しながら段階的にリリースするのに、Datadogのダッシュボードが役立っています。

内田 大暉 氏
株式会社ビズリーチ
リクルーティングプロダクト本部
ビズリーチプロダクト部
新CRS開発グループ

Datadogを使い始めて約1年ですが、クエリで欲しいデータが何でも取得できますし、クエリのサジェスト機能も優秀なので助かっています。

澁谷 悠大 氏
株式会社ビズリーチ
リクルーティングプロダクト本部
ビズリーチプロダクト部
新CRS開発グループ

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